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〒420-0839 静岡市葵区鷹匠1丁目5番1号
NEUEZEIT(ノイエツアイト)4階
アスベスト被害救済弁護団・弁護士 西ケ谷 知成
2006年2月3日成立,同年3月20日申請受付開始
「石綿による健康被害の特殊性にかんがみ、石綿による健康被害を受けた者及びその遺族に対し、医療費等を支給するための措置を講ずることにより、石綿による健康被害の迅速な救済を図る。」(2006年1月 環境省・厚生労働省発表の「石綿による健康被害の救済に関する法律案の概要」より)
→補償の対象は労災補償が受けられない被災者及びその遺族。石綿被害者の隙間なき救済が目的。
石綿の危険性が世界で明確に認識されるようになったのは1950~60年代
1972年,ILO(国際労働機関),WHO(世界保健機関)の専門家会合でアスペストの発がん性の指摘
1974年,ILOが職業がん・条約を採択
1978年,アメジカ政府が国民にアスペストの脅威を警告
1978年~ヨーロッパ各国で石綿の使用原則禁止,排出規制の動き
1986年,ILOが石綿条約を採択
国・企業はアスペストの危険性を遅くとも1970年代には熟知していた。
1989年,大気汚染防止法改正,特定粉塵発生施設に対する規制
導入
1992年,旧社会党がアスベスト全面禁止法案を提出するも廃案
1995年,青石綿,茶石綿の輸入・製造・使用禁止
2004年,アスペストの使荊原則禁止
2005年6月,クボタ(株)が元労働者および兵庫県尼崎市の旧
工場周辺住民に中皮膜等の被害が発生したことを公表
2005年8月,ILOの石綿条約批准
2008年,石綿全面禁止予定
(1)救済給付(そもそも労災補償が受けられない人が対象)
①「指定疾病」(中皮腫,肺がんのみ)に罹患していると認定された場合
i 医療費・・・自己負担分相当額
ⅱ 療養手当・・・毎月約10万円
ⅲ 葬祭料・・・約20万円
②「指定疾病」で法施行目前に死亡した場合(20~23条)
i 特別遺族弔慰金・・・280万円
ⅱ 特別葬祭料・・・約20万円
ⅲ 救済給付調整金
制度施行前に発症し法施行日から2年以内に認定を受けて死亡した被害者の遺族に対しては,特別遺族弔慰金(280万円)から医療費と医療手当を差し引いた金額が支払われる(2. 3条)
(2)特別遺族給付金(労働者の遺族で労災保険法の遺族補償給付が時効消滅してしまった人が対象)
①特別遺族年金・・・毎年240万~330万円(生計同一考数による)
②特別遺族一時金・・・最大1200万円
(1)救済額が労災補償に比べて著しく低い給付水準。
(2)指定疾病が中皮腫,肺がんに限定されている。
(3)労災補償では支給される休業損害,子どもの就学援護費,通院費などは支給されない。
(4)申請期間に制限かおる。特別遺族弔慰金は法施行目から3年。
(5)特別遺族給付合について。
(6)慰謝料部分が考慮されない(労災補償にも共通)。
(7)責任の所在が不明確。
(1)企業に対する責任追及
一不法行為,債務不履行に基づく損害賠償請求-
石綿の危険性を認識しつつ使用してきたことに対する責任
→企業倒産の危険。
(2)国に対する責任追及一国家賠償請求-
石綿の危険性を認識しつつ対策を講じなかった不作為に対する
責任
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